Types of Lacquer

日本産漆・中国産漆、精製漆・生漆・漆それぞれの違いについてご紹介します。
  • ウルシの木から採取した漆から木くずや塵ごみを取り除いたもの。
    用途によって、産地の特徴を生かした配合にブレンドします。
    • 下地用生漆
    • 摺用生漆
  • ナヤシ・クロメ工程を経て出来た精製漆。
    • 透素黒目
    • 木地呂
    • 赤呂色(透呂色)
    • 油なし朱合
    • 透艶消
    • 透箔下
    • 透中塗
    • 透艶漆(朱合・溜)
  • 鉄分を加え、ナヤシ・クロメ工程を経て出来た精製漆。
    • 黒素黒目
    • 黒呂色
    • 油なし花塗
    • 黒艶消
    • 黒箔下
    • 黒中塗
    • 黒艶漆(塗立・上花)

Japan of japanes

日本産漆は、主に岩手県二戸地域(浄法寺漆)、茨城県(大子漆)で主に採取されています。採取時期は6月から10月ぐらいまでで、採れた時期や漆搔き職人の技術的個性によって性質が変わります。
6~7月中旬の初辺(ハツヘン)は水分が多めで乾きが早いため、呂色などの摺り等に主に使われています。7月中旬~9月頃の盛辺(サカリヘン)は味(ウルシオール)が多く粘度も低く、硬化した時の透明度が高いため精製漆に最も適した、上質な漆です。9~10月頃の末辺(スエヘン)は盛辺のものより乾きは遅くなりますが、塗膜に厚みが出るという長所があります。10~11月頃の裏目(ウラメ)は漆の乾燥が遅くなり、また粘性が強く、主に下地用として使用されます。

日本産漆の特徴は、甘酸っぱい独特の臭いとサラッとした柔らかさ、硬化した時の漆の強度です。その特徴を生かすため、弊社では日本産漆の精製は全て手グロメで行います。

日本産漆 採取時期

Chinise Japan

中国産漆は、その広大な地域に漆が生息しているため、採取場所によって大きく特徴が異なります。年々価格は高騰しておりますが、日本産漆に比べるとまだまだ安価で、国内で消費される漆の90%以上が中国産漆です。主な産地による特徴には、以下のようなものがあります。
  • 城口(ジョウコウ)

    漆の粘度が低く、乾きが比較的早い。日本産漆に最も近く、精製漆に適している。
  • 安康(アンコウ)

    漆の粘度が低く、乾きが比較的早い。城口に似ているが、城口より味(ウルシオール)は少ない。
  • 畢節(ヒッセツ)

    漆の粘度が高く、乾きが早い。色味が少し黒い。
  • 竹渓(チッケイ)

    漆の粘度が低く、乾きが比較的早い。城口、安康と特徴が似ている。
  • 毛埧(モウポ)

    漆の粘度が高く、味(ウルシオール)が多い。乾きは遅めだが、乾くと堅くなり頑丈。